音楽産業の行方)2009年度を総括

日本レコード協会が発表した、「日本のレコード産業 2010」を読んだ。
PDFで公開されているので、音楽業界のこれからや今が気になる人は見てみたほうがいい。

なんてったって、通信会社がレコード会社を買おうとする時代だ。

参考:コロムビア買収についてと音楽ビジネスの行方
「ソフトバンクがビクターエンタテインメント買収」報道にJVC・ケンウッドがコメント

参考とか言っておきながら一つ前のエントリーにリンクを貼るのはまあ、ご愛嬌ということで。

さて、このリリースを読んで悲観的にしかならなかった人は、数字に対するセンスを磨いた方がいい。
色んな右肩下がりのグラフが出てきてゲンナリするが、良く見れば大概の数字が「生産数量・金額」だ。
どういうことか?

真実を知るためには「売上」で話をすべきなのはちょっと考えれば分かると思うが、なぜかほとんど全てが生産数量・金額で語られている。
なんでだろ。しらねーけど。

んで、何故か最後の方のページを見ると、それまで右肩下がりばかりだったのに違う数字が出てくる。
各国比較のページね。
あー、話を読みながら、PDFも読むといいなあ。
さっきまでの話は1ページ目から22ページ目までの話ね。
いきなり22/25を飛ばすあたり、時間がない人に優しい時間がないakira3goの優しさですな。

23ページ目が面白くて、ここを見ると日本全体の音楽売上げは

 2003年 4,909百万ドル
 2004年 5,167百万ドル
 2005年 4,883百万ドル
 2006年 4,495百万ドル
 2007年 4,174百万ドル
 2008年 5,171百万ドル

という訳で、よく持ちこたえとるやん!!て話。

ちなみにアメリカー!

 2003年 11847百万ドル
 2004年 12153百万ドル
 2005年 11195百万ドル
 2006年  9651百万ドル
 2007年  7985百万ドル
 2008年  5977百万ドル

と散々な状況。これぞ惨状。
これは一体何を意味するのか。

詳しくはこれから読み解いていって、分かったらまた書こうと思います。
少なくとも、巷で言われているCD不況って言葉は実態を正確に捉え切れていないことは間違いない。
そして、PDFの24ページ目を見れば分かるが、日本の音楽市場はちょっと特殊でもある。
一人当たりの売り上げは40ドルで最多。
シングル偏重型とは言え、アルバムもアメリカに次いで世界二位。
2008年の実績は世界市場のうち売り上げが22%と圧倒的な存在感。

世界比較をすれば日本の立ち居地が少しは見えてきた!?

んで、国内に目を転ずれば、変なことがいっぱい。

例えば17ページを見ると、レコード・CDレンタル店数のピークは89年。
それ以来純減傾向で、現在は2,860店舗。

10ページ、11ページを見ると、生産のピークは数量が1997年、金額が1998年。
逆ならまだすんなり理解できるんですが、事実はそうではない。

むー、どういうこと!?

14ページを見ると、新譜の数は1998年に一度ピークを迎えて、その後大幅に減少していく。
2003年にはピークの98年比で、4割減に。
2004年からは反転上昇し、二度目のピークが2007年。
んー、まだ分からん。

おそらく関連してくるのは
1.景気
2.技術(MDの登場、CD−Rの登場、MP3の登場、iPodの登場。。。)
3.業界の行き過ぎとゆり戻しのノイズ
辺りで、これらが複雑に絡まってよく分からん動きをしている気がする。

もうちょっと他の要素との関連を見ておきたいなぁ。

また時間つくってまとめます。

では。