コロムビア買収についてと音楽ビジネスの行方

まだ軽くしかプレスリリース・IR読んでないけど、感覚的な所はつかめた、多分。

まず買われたコロムビア
注:現時点では議決権比で31.48%なので、買われたと言う表現は厳密には(まだ)正しくありません。

http://www.faith.co.jp/ir/doc/20100121_announcement.html

んで、上記のフェイスのリリースによると、
平成20年3月期 純資産 1,512百万円
平成21年3月期 純資産 899百万円
ということなので、債務超過に陥るのは時間の問題。
同じ進捗で行くと、来年には債務超過。その前にキャッシュが回らなくなって「あぼーん」するのは避けがたい状況です。
なので、建て直しと資本増強は急務です。

次に買うフェイス
注:厳密には(以下略)

ってか、2009年度3月期決算、、、

なんぞこれ。

売上高 53,957百万円 (+7.5%)
EBITDA 4,208百万円 (-20.4%)
営業利益 1,425百万円 (-37.1%)
経常利益 994百万円 (-47.9%)
当期純利益 △149百万円 (-)
ROE △1.1%
ROA 3.0%

エビータと営業利益の乖離が凄すぎる。なんで?

エビータ:売り上げ−給料−仕入れとか経費とか
営業利益:売り上げ−給料−仕入れとか経費とか−減価償却

減価償却費の説明の詳細はここでは省くけど、メーカーとかインフラ装置産業でないフェイスがこんだけエビータから営業利益を落とす理由はなんぞ?66%減て。。。

というわけで、ハイライト確認。

http://www.faith.co.jp/ir/finance.html


2007年に何やったんだwww





http://japan.cnet.com/news/com/story/0,2000056021,20087564,00.htm




あー、アメリカでMVNOやろうとしたのね。


そいえば、何か聞いたことあるなー。
携帯バブルの最後の爆発って感じですな。感慨深い。
いわゆるパケ代をアメリカに捨ててきたってやつだ。

2007年の決算短針見ると『以上の結果、本格事業展開前の費用の先行投入により、MVNO事業の売上高は24百万円、営業利益は△1,832百万円(前年同期は706百万円の営業損失)となりました。』とさらりと書いてあるから、50億突っ込んで25億回収したところで損切りってことですね。営業利益が数十億の会社規模からすると、チャレンジの幅も損切りのタイミングも悪くはないと思います。(じゃあ誰に騙されたんだろう)

と前置きが長くなりました。

この買収が意味するもの。
それは、とても簡単です。分かってる人はこんなに長いの読まなくてよかったですね。残念でした。

さて、フェイスの事業構成は
・着メロ(←これ大事。メロです。うたじゃなく。)
電子マネー
の大きく二つ。色々他に業態拡げようと提携をスクエニとかに拡げてみたけど、パっとしない模様。
そして、着メロは会員数↓収入↓将来性↓
まあ、分かってるわな。

そういえば、コンビニに、自分で打ち込める着メロヒット曲集!とか大量に置いてあったり、128和音!とか流行ったなー。

ああ、反れた。

ま、要は枯れたなんとやら、ですわい。

んで、ここからは妄想トークです。

偉いヒト(以下、H)「おい着メロもうヤバイぞ。うちの屋台骨じゃないのか」
下っ端(以下、S)「いやー着うたに押されちゃって。着メロなんて"きょうびはやんねーんだよ"」と
H「じゃー着うたやろうよ、うちらも」
S「着メロとは訳がちがうんですよ」
H「どゆこと?」
S「着メロは使用料さえJASRACに払えば作れましたけど、着うたはレコード会社の許可が必要なんすよ」
H「じゃあ許可もらえばいいだろ。交渉してこいよ」
S「ご覧の通りで↓
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20050324/103001/?ST=print
H「レコード会社系列以外には卸さないってか」
S「まあモノによっては許可でますけどね。やっぱこのビジネスって求める曲が無かったら萎えますし、ヒット曲を配信できなかったら、おいしくない商売ですからね。」
H「レコード会社買って俺たちもグループに入れてもらうか。」←今ここ

ああ、長い。長い文章は嫌われるがしかし。分かりやすく書いてみたつもり。


さて、感度の高い方は既に読まれてるかもしれない。

「次世代マーケティングプラットフォーム」

これがまた物凄く分かりやすく書かれてて結構な良書なんだけど、時代が変わっていく典型が事例も交えて視覚的に表現されている。詳しくは買って見て。

簡潔に言うと、時代が変わるときは終焉だったものが拡大し、いつの間にか主流が変わるということ。ちなみに重要なのは、主流が変わるだけで、前主流は無くなるとは限らないってところ。
例えばコンピュータ。

メインフレームの全盛期に生まれたPCは当時まだ貧弱で、こんなもんおもちゃだ、と時代の花形だったメインフレームを扱う人からは卑下されていた。
それが今やどうだろう。1993年に二度目の逆転を成し遂げて以来、メインフレームとPCの売上げ差は開くばかりだ。もう二度と交わることは無いだろう。
逆に今は、「へ?あんなバカでかくてバカ高くて技術者ももう少ないようなロートル要るの?」ってノリだ。

ここまで書いたらもう結論は書かなくてもいいぐらいかも。

CD、というか音楽のパッケージビジネスは無くならない。これは断言する。オンラインがどうのという人も、ジャケットがどうの所有欲がどうのという人も、極論より現実を見よう。無くならないけど、縮小する。幅は知らんけど。その辺は今後また書きます。

音楽は消費するべきです。消費という言葉に嫌悪感を抱くなら、アップデートし続けるべきと言い換えても構いません。

理解できない人は、ビートルズのリマスターがチャートの一位になる状況ってのの異常性を一度考えてみたら分かるかと思います。

そんなわけで、音楽の消費、周辺分野の拡大が音楽がビジネスとして、市場として成り立ち続けるためのキーワードです。

ちなみに、そんな市場とか関係ねぇ!俺の金さえ入ればいいんだ、って人たちのキーワードは既得権益の強化です。

ってか、HMVの話したいのに、つい横道に逸れまくってますね。

まあ、しばらく自分への覚書的な技術的Tipsを混ぜながら音楽業界について書きます。

ほいじゃ。